韓国と北朝鮮の国歌はどちらも愛国歌(あいこっか, エグッカ, 애국가)という名前ですが、曲自体は別ものです。ただ、共通の単語が歌詞の節々に隠れてます。
韓国語はハングルだけで文を表記する「ハングル専用文(ハングルせんようぶん)」と漢字とハングルを混ぜて表記する「国漢文混用(こっかんぶんこんよう)」の2種類の表記法があるため、2種類を提示する。日本語訳もお見せする。
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歌詞
ハングル専用文
韓国の愛国歌 | 北朝鮮の愛国歌 |
国漢文混用
日本語訳
1番 東海の水が干上がり,白頭山がすり減るほどに 神様が護持してくださり,わが国いく代に
むくげ,三千里,麗しき山河 大韓の人,大韓として,とわに保たん
2番 南山にかの松の木,鉄甲をまとったごとく 風霜の不変なるはわれらが気なり
むくげ,三千里,麗しき山河 大韓の人,大韓として,とわに保たん
3番 秋空広いが高くて雲なく 明るき月はわれらが胸中の一筋なるなり
むくげ,三千里,麗しき山河 大韓の人,大韓として,とわに保たん
4番 この気とこの心で忠誠を尽くし 苦しくとも楽しくとも国を愛せん
むくげ,三千里,麗しき山河 大韓の人,大韓として,とわに保たん |
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見てもらったらわかる通り、韓国の愛国歌は1番から4番まであり、무궁화 삼천리 화려강산(むくげ、三千里、麗しき山河)…から길이 보전하세(とわに保たん)までが "繰り返し" の形で1番から4番までの中に組み込まれている。
それに対して北朝鮮の愛国歌は1番と2番だけがあり、比較的文字数や曲の時間が韓国のそれに比べると短い。
韓国の愛国歌と北朝鮮の愛国歌で共通している単語(本題)
本題に入るが、ちゃんと歌詞を観察した人ならわかると思うが、韓国の愛国歌と北朝鮮の愛国歌には共通の単語がいくつか入っている。
韓国の愛国歌と北朝鮮の愛国歌に共通してある単語
- 백두산(白頭山, ペクトゥサン)
- 길이(末永く/永遠に)
- 기상(気、気性、気質)
- 없이(〜なしに)
- 나라(国)
韓国の愛国歌の最初のあたりに出てくる동해물과 백두산이(東海の水と白頭山が)で백두산という単語が出てきていて、なおかつ北朝鮮の愛国歌内では2番の最初백두산 기상을 다 안고(白頭山の気を皆抱き)と出てきており、共通しているといえる。
次の길이(末永く/永遠に)だが、韓国の愛国歌においては最後の길이 보전하세(永久に保全せよ/とわに保たん)という部分で出ていて、北朝鮮の愛国歌においては、1番の最後の길이 받드세(永久に奉らん)と2番の길이 빛내세(永久に輝かさん)の2箇所で出てくる。
기상だが、韓国の愛国歌では4番の이 기상과 이 맘으로(この気とこの心で)に出てきていて、2番の백두산 기상을 다 안고(白頭山の気を皆抱き)で出てきます。없이は韓国の愛国歌では、3番の
나라はわざわざ南北で共通している単語として紹介するまでもないでしょうが、念のため記載します。韓国の愛国歌では우리나라 만세(私たちの国万歳)の部分や4番の 랑하세(苦しくとも楽しくとも国を愛せん)で出てきます。北朝鮮の愛国歌では、인민의 뜻으로 선 나라(人民の意志で立った国)で出てきます。
最後に
愛国歌という曲名自体は共通しているものの曲自体はまったく異なる中で、共通している単語がいくつかあったのは興味深いです。もしよろしければ他の記事もご覧になっていただけると幸いです。